男子団体予選リーグで番狂わせが起こった。前回のブレーメン大会で3位になった香港がデンマークに1-3で破れた。その鍵になったのは、2番の李静(リ・チン)対フィン・トゥグウェル。トップでメイスに取られた香港としては、2番のエース李静でなんとしても取り返したいところ。中陣からのフットワークを生かした連続ドライブの得意な李静は、けっこうヨーロッパに強く、この試合も李静が有利かと思われた。対するトゥグウェルは、中陣ドライブというより、小さくシャープなスウィングからの前陣両ハンド攻撃を得意とするヨーロッパではちょっと珍しいタイプ。負けるときは、結構あっさり負けるが、調子に乗ると打球点の早い両ハンドが炸裂する。この試合もそういう試合になり、トゥグウェルが早め早めに両ハンドで先手を取り、中陣でフットワークを使おうとする李静の左右を抜く場面が多く見られた。
しかし、そこはさすが李静。苦しみながらも粘り、セットオールジュースへ。ここで、トゥグウェルに幸運なネットインが出て、最後に李静を突き放した。負けた李静、ベンチに戻るや、ラケットを叩きつけた。この悔しさの表現こそ、世界戦にふさわしい。
勝ったトゥグウェル。彼とは、電話で何回が話したことがあるが、自分が好きなだけ話をしたあとで必ず「Do
you understand?」と付け加える。「アホじゃないんだからわかるっつーの」と言いたくなるが、それが彼の持ち味なのだろう。
男女シングルスの1回戦、2回戦がおこなわれた。その中で、男女それぞれ大きな番狂わせがいくつかあった。まず女子シングルスでは、一回戦の伊藤みどり
vs. キム・キュンア。世界ランキング165位の伊藤が韓国のエース、世界ランキング9位のキム・キュンアを丁寧に攻略して勝ってしまった。力任せのカット打ちではなく、打って、ツッツキ、ツッツキ、また打って、ツッツキ、ツッツキ・・・という感じで、キム・キュンアがじれて打ってくるまで粘り、その反撃をしっかりブロックしてミスを誘った。反撃を確実にブロックできるという前提があってこそ、この作戦が成り立つのだが、その前提通りのすばらしいブロックを見せた。
男子シングルス一回戦では、ザグレブ世界選手権ベストエイトの中国・ハオシュイがのイタリアのボボシカ(と発音するのかどうかさえわからないような奴)のパワーに一蹴された。この一敗が、ハオシュイの卓球キャリアの致命傷にならなければいいが・・・。このボボシカ、2回戦ではシンガポールのヤン・チーにあっさり負けたので、なおさら心配だ。中国は代わりがいくらでもいるので、たったひとつの負けで国際舞台から消えても不思議ではない。
男子シングルス2回戦、ユ・スンミン vs. オフチャロフ(ドイツ)。ユ・スンミンがゲームカウント1-3から3-3に追いついたので、このまま何事もなく終わるかと思ったら、最終ゲーム、なんとオフチャロフが11-1で勝ってしまった。今大会、ザグレブの上位組は総じて不調に見えた。まだ疲れが取れていないのかもしれない。ジャパンオープンは、今まで通り秋にやった方がいいようだ。
男子シングルス一回戦の注目カードは、松平健太vs.コルベル。ご存知の通り、ザグレブでも両者は一回戦で当たり、松平健太が4-0で勝っている。伝え聞いたところによれば、松平健太自身、試合前に、「今回負けたらザグレブはまぐれだったと言われるから、勝たなければならない」と言っていたそうだ。勝たなければならない事情は、コルベルの方がより深刻だ。また負けたら「ザグレブではちょっと油断した」という言い訳ができなくなってしまう。今回も松平のしゃがみ込みサービスがよく効いた。「負けられない」というプレッシャーからさがり気味でドライブをかけてくるコルベルの攻撃を、しっかりブロックする。コルベルも、一本取るごとに声を出し、意地とプライドでポイントを重ねる。3-3の最終ゲーム、あきらかにプレッシャーのため動きの硬いコルベルではあったが、そこはさすがコルベル、11-9で松平健太を振り切った。2回戦では、岸川が再びコルベルを苦しめ、ゲームオールジュースまでもつれた。
松平健太のしゃがみ込みサービスだが、今は背が小さいからいいけど、もし将来でっかくなってしまっても同じように出せるのだろうか?ここはひとつ、背がこれ以上大きくならないよう今のうちから万全の対策を取るべきではないだろうか。例えば、牛乳を飲まない、とか。
日本選手でもうひとり2回戦まで残った韓陽は、オ・サンウンに格の違いを見せつけられた。